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コラム

中小企業こそ生成AIが「武器」になる時代

変化が早い時代に何をすべきか

2022年11月に公開されたChatGPTは、5日間で100万ユーザーを獲得しました。これほど急速に社会に浸透した新技術は人類の歴史上存在していません。

社会構造そのものに変化をもたらす最先端の技術は歴史上多く存在し、例えばインターネットやスマートホン、古くは鉄や電気などが、技術の登場とともに社会構造を変えてきましたが、これほど早いスピードで世界中に広がった技術の例は他にありません。

革新的な技術を一瞬で伝播する技術がインターネットによって整えられたこともあり、私たちが追いつけないほどの速度でAIが世界中に広がっています。電気やコンピューター、インターネットに続く「汎用技術(General Purpose Technology:GPT)」だと研究者たちは位置づけています。
総務省|平成30年版 情報通信白書|汎用技術(GPT)とは

つまりこの波は一過性の流行りではなく社会構造そのものを変えていく技術だということです。そしてその認識は共通認識になりつつあります。

問題なのは、この波が一部の大企業だけでなく、中小企業全体にも同じスピードで押し寄せるという点です。そして、この局面において、経営資源が豊富な大企業だけが有利とは限りません。むしろ、意思決定の速い中小企業こそ、生成AIの恩恵をいち早く経営に取り込めるポジションにあるといえます。

とにかくまずはAIができること、AIの使い方、そういったものをいち早く学び、経営者の嗅覚で取り込んでいく必要があります。

「仕事が奪われる」は正確ではない

生成AIの台頭を語る際、最初にぶつかる問いが、「雇用への影響」です。しかしAI研究者の今井翔太氏は著書のなかで明確に区別すべき概念を提示しています。

「生成AIなどの技術による労働への影響を考える場合、その技術が『労働補完型』の技術なのか、『労働置換型』の技術なのか、分けて考える必要があります。」
引用元:『生成AIで世界はこう変わる』

労働補完型とは、人間の労働を助け、生産性を上げ、新しい仕事を生み出す技術です。対して、労働置換型とは、文字通り人間を完全に置き換える技術のことです。


第二次産業革命で発明された「電気」は「労働補完型」でした。労働を助け、生産性を向上させたとこで雇用と賃金は増加した。一方、産業革命初期の紡績機の登場は、スキルを持つ労働者を不要にした「労働置換型」だったといわれています。


当初の研究者の多数意見は生成AIは「労働補完型」であるというものでした。人間の複雑な作業や知的労働などはAIに代替できないと考えられていたのです。しかし最近ではほぼすべての労働がAIによって代替されると言う研究者も増えています。

少なくともコーディングの分野では、AnthropicのCloud CodeやChatGPTのCodeXはエンジニアを超える能力を持つと予測されています。

「頭を使う仕事」ほど影響を受ける

OpenAIとペンシルベニア大学が共同発表した論文「GPTs are GPTs」は、衝撃的な逆転を示しました。

それまで、従来の研究では「AIに代替されやすい=ルーティン作業」とされていましたが、この論文では全く逆の傾向が明らかになりました。

「影響を受けにくいとされる職業は、ほとんどが手足を動かす肉体労働を行うもの(ブルーカラー)。一方で、影響を受けやすいとされる職業は、エンジニアや研究者、デザイナーなど、高度な判断力や創造的な思考が必要とされるもの(ホワイトカラー)だった。」

かつては単純な作業や肉体労働は影響を受けやすく、AIによる失業の可能性が高いと考えられていたようです。しかし現在は頭脳労働こそがAIにとって代わられる可能性が高いと言われています。実際にプログラミングの分野やコンサルティング部門、人事部門などはかなり早い段階から影響を受けています。

世界屈指の頭脳集団である巨大IT企業ではAI活用を理由とした解雇が実施され、実際に影響が出ています。逆に製造活動の分野でAIを導入できている例はあまり多くありません。

中小企業においても、バックオフィス業務(文書作成、資料作成、問い合わせ対応、提案書作成など)は最も影響を受けやすい領域と考えられています。すでにカスタマーサポートなどは大企業で代替され、世界中でAIチャットボットが導入されています。

こう聞くと脅威に感じてしまいますが、実は中小企業にとって大きなチャンスがあります。なぜなら、大企業が抱えるような専門人材がいなくても、生成AIを活用することで業務水準を引き上げられる可能性があるからです。マッキンゼーの試算では、生成AIにより世界に670兆円以上の経済効果がもたらされるとされており、その恩恵は会社の規模を問わないと考えられます。

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